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●インタビュー

立川らく人さん
(落語家。33歳。立川志らく門下の二つ目。芸歴8年)

インタビュアー:村田席亭


村田:「立川らく人落語大全集」はどういう会ですか?
らく人:私の独演会です。趣向としましては、私の師匠
志らくの独演会「立川志らく落語大全集」と同じ演目を
同じ順番でやっております。師匠の会を追いかけてはい
ますが、単なる真似ではつまらないと思いますので、師
匠の落語に迫ることを目指しつつ、独自の切り口を見せ
ていきたいと考えています。
村田:らく人さんにとってこの会の魅力はなんですか?
らく人:自分でネタを決める独演会だと後回しにしてし
まいそうなネタにも挑戦できるところですね。というの
も、師匠の「大全集」が、16年分のネタをすべてネタ出
ししていますので、難しいネタでも避けて通るわけには
いかないんです。ですから、つねに次の「大全集」でや
るネタのことで頭がいっぱいになっています。
村田:落語をやるうえで決めていることはありますか?
らく人:「落語をはじめて見るお客さんでもわかる」と
いうことを心がけています。ですからどの噺でも、資料
にあたったりして、できるだけ内容を掘りさげることに
しています。たとえば「中村仲蔵」でしたら、歌舞伎の
忠臣蔵が出てきますし、実在の初代中村仲蔵がモデルと
なっている噺ですので、調べ物にも時間をかけて、歌舞
伎を知らなくても楽しめるように工夫しました。追っか
けてくださっているお客さんには成長を見せたいですね。
村田:この会をやりとげたらどうなると思いますか?
らく人:まったく想像できないです。でもこの会をはじ
めたのは、二つ目になって、なにかチャレンジがしたい
と思ったからなんです。開催を決めて師匠に一筆お願い
したら「了見は良しだが出来るハズが無い」と書いてく
ださいまして。ですからそもそも無謀なんです。けどそ
の無謀をやりとげたとき、自分がどんな落語家になって
いるのか、次になにに挑むのか、自分でも楽しみですね。
村田:私も楽しみです。ありがとうございました。


(インタビュー実施日:2019年1月9日)




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